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デジタル採点の利点と問題点

デジタル採点は、試験やテストなどをコンピューターで採点することです。日本では、2000年代初頭から大学入試において導入され始めました。現在では高校入試や英語の資格試験、さらには一部の小学校や中学校の定期試験でも用いられています。教育現場においてデジタル採点が採用されるわけは、その正確性と速度にあります。

採点が正確であれば受験者や保護者の信頼を得ることができ、短時間で採点が終われば試験結果の迅速なフィードバックが可能になります。また、従来の手作業による採点で必要とされていた人的リソースや多くの時間が削減されるため、現在日本で深刻な課題となっている教員の人員不足や過重労働対策に効果的です。様々な場面での利用が進んでいるデジタル採点ですが、意図して紙ベースの採点が行われる場合もあります。具体的には、記述問題や図形を描く問題などを採点する場合です。

回答を解釈する上で必要となる自然言語技術は、複雑な文法や意味のあいまいな表現に対応することが難しく、答案をスキャンする際に用いられるOCR(OpticalCharacterRecognition)技術は文字を認識するため、図形や絵には対応できないからです。デジタル採点は他にも、システムの導入や機器のメンテナンスをするためのコストや人材の確保、採点システムがハッキングされた場合に起こりうる個人情報漏洩のリスクといった問題を抱えています。従って、デジタル採点の導入を検討する場合には、場面に応じて適切なツールを選択するとともに、データセキュリティの問題にも十分に注意することが必要です。

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